86歳からのiPad2

はじめに

ipad2を購入しました。初代は重すぎてきっと使わなくなるだろうなぁと思ったのですが、2で一気に軽くなったので初日に購入しました。
直感的で綺麗なインターフェース、素早い反応、充実したアプリ、とても満足しています。子供の頃に想像した未来がまさに手元にあるという感じです。

一昨日、彼女の実家に行く機会があったのでみんなに見せようとipad2を持参していきました。
みなさん喜んでくれたのですが、特に86歳のおじいちゃん(大正生まれ!)が最も関心を寄せていました。携帯すら持っていないおじいちゃんには、本当に魔法のように見えたようです。

おじいちゃんは囲碁が好きなので、その場で囲碁アプリをダウンロードして使わせてあげました。
予想以上に操作が簡単だったこと、コンピュータの対戦相手が意外と手ごわいことに感動し、「お金を渡すからこれをひとつ買ってきてくれ」ということになりました。驚きでした。高齢者も魅力を感じた商品にはお金を落とすんですね。

というわけで昨日ipad2をもう一台購入し、おじいちゃんに使い方をレクチャーしてきました。その過程で色々と学んだことや気づいたことがありました。

86歳にはなかなか大変だった点

1.初期設定のハードルが高すぎる。

iPadを起動させるには初めにitunesとの同期が必要です。
つまり、PCがなければ起動すらできません。さらにitunesのダウンロードまで必要です。
これは高齢者にはかなりハードルが高いでしょう。
iPadはPCの利用が難しい人にもフレンドリーな設計になっているのに、この仕様はちょっと困りものです。箱から出してすぐに使えるようにすれば購買層は増えるんではないでしょうか。

当然、itunesとの同期は僕が代わりにやりました。

2.キーボードが難しい

ロクにワープロすら触ったことがない世代にとって、キーボードは難しいようでした。
iPadには日本語キーボードがあり(この点は素晴らしいと思います)、入力自体は割とスムーズにできました。例えば、おじいちゃんの好きな歌手岸洋子さんをYouTubeで検索しようとする場合、「きしようこ」まではスムーズいけました。ところが、漢字変換を理解してもらうのがなかなか大変でした。簡単なものであればいいんですが、文節をうまく切らないとうまく変換できないものは割とハードルが高いですね。音声入力を広範に取り入れたり、予測変換の精度を上げたりする必要があるでしょう。

しかし、一度入力するとキーボードが覚えてくれるので、この点は便利ですね。何度かつかっているうちに「きし」と入れただけで「岸洋子」が予測されるようになりました。


3.検索窓が小さい

YouTubeにしても、Safariにしても検索窓が小さすぎです。
キーボードによる入力だけで必死な中、あの検索窓の大きさでは老人にはつらいだろうなと感じました。キーボードを開いているときだけでも、検索窓が拡大して表示されればさらに老人フレンドリーだと思います。

86歳でも楽しめた!

確かに上のような難点もあるのですが、確実におじいちゃんはiPadを楽しんでいました。

1.練習すれば大丈夫
86歳でも最低限の機能に特化して練習すればすぐにできるようになります。
囲碁アプリを起動し新規対局を開始する、YouTubeで好きな歌手や曲を検索する、1−2時間でここまではできるようになりました。

それだけかと思うかもしれませんが、囲碁を打ててYouTubeが見れればそれだけでかなり遊べますよね。今までテレビと新聞、固定電話くらいしかメディアのなかったおじいちゃんにとっては革命的な出来事です。

2.画面がでかいのはやっぱりいい。
囲碁アプリをプレイする際、写真を見る際にあれだけの大きさがあるとかなり見やすいようです。
囲碁の打ち間違いをするんじゃないかと心配したんですが、問題なく思ったところに打てているようでした。

3.意外とカメラとしてもいい(ただし老人、子供に限る)
iPad2のカメラの性能が残念な件はいろんなとこで言われていますし、僕もそう思います。
『iPad 2』のカメラは残念

しかし、おじいちゃんの遊び道具としてはかなり使えるなと思いました。操作がシンプルで、これだけ画面が大きいカメラは他にないでしょう。通常のデジカメも撮るのは簡単ですが、画面が小さく、とった画像を探すのも大変です。ましてや印刷したりPCに転送したりは一苦労です。この点、iPadは完璧です。撮るのも見るのもでっかい画面なので簡単です。

ちなみにおじいちゃんは「写真がもうできてる」と感動していました(まだ発想がアナログカメラなんですね笑)。
動画にいたっては驚愕しすぎてため息ついてました。

4.Youtubeに感動
日頃テレビがつまらないと嘆いていたようなので、Youtubeという新たなチャンネルができたことは革命的だったようです。
懐かしの歌手や、懐かしの映像がみれることは楽しいことですもんね。テープやレーザーディスクを入れなくても「曲名をいれればなんでも出してくれる機械」として認識していたようです笑。
あんまり感動するので、自分のおじいちゃんにもYoutubeを紹介しようと思いました。

結論

iPad2は、セッティングと最初のレクチャーさえしてあげれば、年齢を問わず(すくなくとも86歳でも!)、操作できて楽しめるデバイスです。楽しめるだけでなく、余生を豊にしてくれるでしょう。

家でじいちゃんばあちゃんが暇そうにしていたらプレゼントしてあげましょう。きっと喜んでもらえます。それにおじいちゃんに教えていると自分が未来人のような気分になってとても楽しいですよ笑。

そんじゃーねー。